精成舎「uzra(うづら)」がグッドデザイン賞・グッドフォーカス賞[技術・伝承デザイン]に選ばれました

この度、精成舎の「uzra(うづら)」が、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する2025年グッドデザイン賞・ グッドフォーカス賞[技術・伝承デザイン]を受賞しました。

「uzra」シリーズは、二酸化炭素排出量の削減と良品率の向上を目指して開発した新素材「晟土(せいど)」を用いた、初のプロダクトです。

その名には、「これからの吉田焼を明るく照らしてほしい」という願いが込められています。

デザイナーは安積伸さん。晟土の持つやわらかな質感と、使う人の暮らしに自然と溶け込むフォルムが評価され、今回の受賞につながりました。

名誉ある賞に選んでいただき、心より嬉しく思います。この受賞をきっかけに、吉田焼の新しい可能性がさらに多くの方へ広がっていくことを願っています。

審査員の評価

陶磁器産業は高温焼成や資源消費により環境負荷が大きいとされるが、本製品は釉薬を必要としない新素材「晟土」を用い、鉄粉による斑点を意匠として受け入れることで、工程や製造ロスを削減し、CO2排出量を従来比で約40%抑えた点が革新的である。通常は不良とされる要素をあえて素材段階から肯定し、良品率99%を実現したことも大きな成果といえる。器の静かで凛とした佇まいには、この製法ならではの偶発的な表情が感じられ、暮らしに自然と馴染む実用性と美しさを両立している。さらに吉田焼の他窯元への展開を視野に入れ、環境に配慮したものづくりを産地全体に広げようとする姿勢も、未来への大きな可能性を示しており、高く評価できる。